日本薬局方の意味

日本薬局方【ニホンヤッキョクホウ、Japanese Pharmacopoeia】
 
<用語解説>
日本薬局方とは
日本薬局方とは、日本における医薬品の品質基準書のこと。
医薬品の性状や品質の適正を図ることを目的に、医薬品医療機器等法(旧薬事法)に基づき、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聞いて定めたもので、日本国内で広く使用されている医薬品を中心に収載した基準書。
日本薬局方の詳しい話
日本薬局方とは、日本で使われる医薬品の品質や規格を定めた法的な基準書のことです。厚生労働省が発行していて、医薬品の「安全性」「有効性」「品質」を保つためにとても重要な役割を果たしています。日本薬局方は数年ごとに改訂されています。

各々の薬の成分・量・見た目・純度などを正しく定められたとおりにするための「ルールブック」のようなもの。薬はこの薬局方に準拠していなければ、市場には出せません。

ここでいう「薬(医薬品)」とは、私達がイメージする薬局・薬店で販売されている複数の成分が合わさって完成したお薬ではなく、一つひとつの「成分」そのものです。例えば、アセトアミノフェン、カフェイン、グリセリン など。
それは、それぞれに薬理作用(効果)があり、適切に使えば単独でも薬として成立するため、「医薬品各条」に収録されているのです。

日本薬局方にある「医薬品各条」は、日本薬局方に収録されている各医薬品の「単品のルール」です。医薬品ごとに定められた「規格」や「試験法」などの詳細を記載した資料です。「成分表」とは異なりますが、広い意味では医薬品に含まれる主成分やその品質基準を記載した文書のような存在で利用されることもあります。

具体的には、医薬品について、以下のような情報が書かれています。
・名称(その成分名や通称)
・性状(色、におい、見た目など)
・定量法(どのように成分量を測定するか)
・純度試験(不純物がどれだけ入っていていいか)
・保存法(どう保管すればいいか)
・用法(使い方が簡単に書かれている場合も) など

●日本薬局方 医薬品各条ア~ソ
●日本薬局方 医薬品各条タ~ワ

医薬品グレードについて思うこと(コスメコンシェルジュから一言)

化粧品には、「化粧品基準」がありますが、「医薬品各条」のように一つひとつの原料について、細かい規定がされているわけではありません。

よく、化粧品において「医薬品グレードの〇〇を使用」という表現がありますが、これは「日本薬局方に適合した品質の成分を使っている」という意味です。消費者にとっては、高品質・高純度・安心といったイメージにつながります。こうした表現は、「信頼できるクオリティの証」として受け取られます。そして、化粧品メーカーやブランド、製品によっては、医薬品グレード以上の精製度を持つ成分を用いていることもあります。

たとえば、ワセリン。
白色ワセリン(薬局方に収載)は、不純物が少ないとされていますが、それよりもさらに純度が高いものがプロペトです。プロペトは、医療現場や赤ちゃん用として使われることがあります。赤ちゃんのオムツかぶれや肌あれなどで、小児科で処方されることも多く、身近な薬として記憶に残っている方も多いのではないでしょうか。そしてさらに、プロペトを超える精製度(99.9%以上)のものがサンホワイトです。敏感肌向けの化粧品に採用されることもあります。また、メーカーやブランド、製品、成分によっては、敏感肌向けに限らず、サンホワイトを使用しているケースもあります。

全成分表示では、同じワセリンでも、このように3種類のワセリンがあり、「医薬品グレードが最上」ではなく、化粧品でも用途や目的、自社方針などによって、医薬品グレードを超える品質基準を設けている場合もある、ということですね。

グリセリンエタノールなど、化粧品成分には医薬品と共通して使われるものもあります。化粧品成分について調べたり学んだりする際には、日本薬局方を参考にすると、正式名称や英語名、定義、特徴などの基本情報を確認でき、成分理解のてがかりとして役立ちます。

医薬品の成分が日本薬局方で細かく規定されているのに対し、化粧品の場合はどうなっているのでしょうか。
実は、化粧品に使用される原料については、「このような規格でなければならない」という厳密な成分ごとの法的ルールは、もともと存在していません。過去には「化粧品原料基準」が参考的に使われていましたが、これは法的義務ではなく、現在は廃止されています。

現在の制度では、「化粧品基準(平成12年厚生省告示第331号)」が化粧品に使用できる成分の最低限の基準となっており、別表に掲載された禁止・制限成分以外については、「保健衛生上の危険を生じるおそれのある物であってはならない」といった広い原則のもと、成分の選定が行われます。

このため、原料の選択や安全性・品質の確保については、最終的に製造販売業者の責任と判断に委ねられています。つまり、医薬品のように一律の国家基準が存在するのではなく、各社が自社の責任で基準を設けて管理しているのです。この違いを理解すると、「医薬品グレードの原料を使用」といった表現が、いかに品質保証の目安として重要視されるかがわかります。

また、「化粧品グレード」という表現は、国の定義ではなく、製造販売業者や、それに製造を委託している企業(いわゆるブランドホルダー)などが、各社の責任で設定している基準であり、場合によっては医薬品グレードよりも厳しい品質管理が行われていることもあります。
<法律・基準の関連用語>
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