パール剤の意味

パール剤【パールザイ、pearl pigment、pearl pigment powder】
 
<用語解説>
パール剤とは
パール剤とは、真珠やメタリックのような色や光沢を放つ顔料のこと。キラキラした粉末。パール顔料や真珠光沢剤、真珠光沢顔料ともよく呼ばれる。
パール剤について
○パール剤とは
パール剤は、塗布した部分に、真珠に見られる虹のような光沢や様々な色を発したり、金属表面を反射したような強い光沢のある色を発したりする粉末原料です。顔料は、一般的に粒子による光の吸収と散乱の現象により固有の色を発しますが、パール顔料は光の干渉作用によって色や艶、輝きを発します。

特にメイクアップ製品でパール感メタリック感を演出したり、質感を変えたりする目的で用いられます。樹脂製の容器1個ケースなどの加飾にも使われます。

○パール剤とラメ剤の違い
パール剤はラメ剤より小さく、そのサイズは数十μm程度です。これに対し、ラメ剤は百μm程度から3000μm(3mm)以上のものまであります。
*μm はマイクロメートル(ミクロン)でミリメートルの1000分の1。1μm=0.001mm。

大きいラメ剤は点在的に輝きますが、パール剤は混ぜ込まれたものに溶け込んだように一体化し、混ぜ込まれた部分全体で色や輝きを演出します。見る角度により微妙に異なる色や輝きを発するのがパール剤の特長です。

○パール剤の原料
パール剤の歴史を振り返ると、もとは魚鱗箔となります。
現在では、天然のマイカ(雲母)を酸化チタンで覆った雲母チタンが主流です。マイカは薄板状の粉体なので、その表面を酸化チタンで均一に被覆することで、層状になり、多重層反射した光が干渉することで真珠のような色と光沢感を与えます。光を反射する膜となる酸化チタンの被膜の厚さを変えることで、様々な色や光沢感を生み出すことができます。

1990年代後半あたりから、色やパール感を演出できる進化したパール剤が開発されるようになり、例えばベースの天然マイカを合成マイカやガラス、シリカ、アルミナなどに代えたものです。ガラスやシリカ、アルミナは粉砕や研磨するなどして非常に薄い鱗片状に加工され、ガラスフレークやシリカフレーク、アルミフレークと呼ばれます。ガラスフレークのパール剤といったように呼ばれるのはここからきています。また覆う方の物質を酸化チタンから別の種類に代えたものもあります。
これらにより、くすむことなく(天然鉱物のマイカはグレーがかっているため、くすみが生じる場合があります)、多様な色彩や輝きがより実現するようになりました。

○パール剤の発色の仕方とたとえ
パール剤の発色の仕組みは、天然の真珠に由来します。マイカを酸化チタンで被覆した層によって干渉色を生み出すパール剤の仕組みは、貝の中で核を包むように薄い真珠層が何百、何千と重なったそれぞれの層で反射した光が干渉しあっているのと同じです。真珠そのものの色に加え、何百何千と光が干渉を繰り返すことで特有の色や光沢が生まれます。パール剤は、これを人工的に生み出している顔料です。

パール剤は、その色や光沢を真珠にたとえる以外に、虹、シャボン玉、CD・DVDの裏面、玉虫、モルフォ蝶などにたとえられることもありますが、発色原理は同じように光の干渉によるものです。それら独特の光沢をもつ色は、目に見える通りの特定の色素がないのに発色しています。玉虫やモルフォ蝶などの金属光沢は、玉虫の背やモルフォ蝶の羽に人の目で見える色がついているわけではありません。物質自体はそのような色を持ちませんが、表面の特別な構造によって、当たった光が強めあったり弱め合ったりして重なり合うことであのような色に見えています。物質そのものの色(だけ)ではなく、物質構造が作り出している色であるため干渉色の他に構造色とも呼ばれます。構造によって見える色なので、構造が崩れない限り紫外線や経時の影響で色あせることがなく長もちすると言われています。
<成分の関連用語>
  • 植物性香料
  • 着色剤
  • フェノキシエタノール
  • 非親水性
  • フレグランス
  • アスコルビルグルコシド
  • 邦文表示名称
  • 非自然原料
  • APM
  • ホホバ油
  • 膠原
  • グリッター
  • デオドラント
  • オーガニック由来原料
  • 親油性
  • 雲母チタン
  • パラベン
  • ミネラルオイル
  • アニオン
  • 金属イオン封鎖剤
  • 海洋深層水
  • 紫外線吸収剤
  • 酸化鉄
  • 馬油
  • オーガニック原料
  • ブチルパラベン
  • 安定型ビタミンC誘導体
  • 有色顔料
  • 生薬
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